「まりもシミュレーター」開発後記
2/22~28に開催されたUnity1週間ゲームジャムに
今回もりべるんさん(@riberunn)と共同開発で参加しましたので、その開発後記です。
左右キーでまりもをころがしながら、太陽の光に当ててまりもを大きくさせるゲームです。
一方向にだけ太陽の光に当てる歪にな形になってしまうし、時々水流が発生するので上手に転がしながら、まりもを大きく育てていくのがこのゲームの目的です。
こちらからプレイしていただくことができますので、よかったら遊んでください。
開発スケジュール
1日目
お題発表日ですが、朝早くから作業できるようにするため日付変更前には就寝。
案の定早朝に目が覚めたので、そこからアイディアをいくつか出します。
ステージが「回」転するとか、周「回」や「回」復は結構出そうな題材だなーと思い、
「回」避(上手く言ったつもりか)した方が良さそうだなーと思いつつ候補に。
りべるんさんと通話して、挙げたアイディアの中でいいのあります?とアイディアメモを見せたところ、
まりもシミュレーター
立派なまりもを作るゲーム(?)
まりもは水底でうまい具合に転がりながら光合成すると、
あのまるいまりもになる。
うまく回しながら大きくてキレイなマリモを作れると、
マリモマイスターになれるよ
のメモ書きの「マリモマイスター」にりべるんさんが反応。
実はりべるんさんの「あつめてたたけ!アザラシ軍団」のリザルト画面に出てくる、
「あなたは立派なアザラシマスターです」のオマージュだったのですが、
すごく気に入ってもらえたのでこの案で進めることにしました。
りべるんさんのお仕事が終わる夜までに一通りの仕様を固めるべく、
前回同様スプレッドシートで仕様の詳細を記載+
今回からAdobe XDで全体の画面遷移を作ることにしました。
前回、「ゲームループをきちんと共有できていないまま開発を進めてしまった」という課題があったので、今回はその課題を克服するべく今回Adobe XDを利用することになりました。
もちろん最初からここまで作っていたわけではありませんでした。
が、ゲーム開始〜リザルト画面あたりまではざっくり作りました。
これを作ることでどういう画面が必要なのか明確にでき、仕様策定時の抜け漏れを防ぐことができました。
もちろん、これだけで全ての抜け漏れを防げるわけではありませんが、
ゲームの全体像を共有する上ではかなり便利なツールだったと思います。
欠点を挙げるとすれば無料分では一つのプロジェクトしか共有できないことですが...すでに上げたものを非公開にして、
今回共有したいものを上げればいいだけなのでそれほど大きな欠点にはなりません。
1日目は必要最低限の仕様を決めて、りべるんさんに共有して終了です。
2日目
この日は祝日で開発にブーストをかけられる日ではありましたが、
ちょっとお出かけしてきました。
午前中にりべるんさんにGitHubのリポジトリに招待していただいたのを確認し、
プロジェクトのシーンも問題なく開けることを確認して夕方までお出かけ。
夕方からまりものイラストやボタン素材を描いて、りべるんさんに入れていただきました。
3日目
この日はタイトル画面案や背景のイラスト案を作りました。
この時に賑やかしにアザラシを入れよう!という話があがりました。
マリモころがしパートのステージのTerrainもいじり始めました。
このTerrainもりべるんさんがプレハブにしてくれていたため、競合を気にせず調整できました!
めちゃくちゃありがたい!
4日目
この日にちょっと曖昧だった水流の具体的な仕様が確定しました。
水流の仕様を考えた際にもっと具体的に考えてりべるんさんに渡せればよかったなーって思いました;;
さらに今回PostProcessingを導入しよう!ということで、何が導入できそうか調べてみました。
今回はColor Greadingを利用するのが良さそうということになり、そちらを利用することに。
あとはシーン遷移時の演出を変えたかったので、りべるんさんに聞いたり、調べたり。
unityroomにあげるアイコンについても考え始めていました。
今回は敢えてゲーム内の動画を出さず、ストアなどによくあるようなアイコンにしたいです!と提案しました。
というのも、ゲームの内容的に最初からある程度推測できるようにはせず、
「まりもシミュレーター」というよくわからないタイトルと神岡面と名付けた間抜けヅラのまりものドアップを出して、「まりもシミュレーター?なんだこれ?」と思わせ、
プレイして「マリモを育てるのか?」→「え?リザルトで転がるの?なんだそりゃ?」と言ってもらうようにした方が良いのではないかと思ったからです。
アイコンを見て「なんだこりゃ?」、プレイして「なんだそりゃ?」と二段階WOWを仕込みたかったのですが、いただいたコメントを見る限り意図通りの演出ができたようです。
5日目
タイトルロゴ、アザラシのスプライトなどのアセットを追加。
確かこの辺りで裏でマリモころがし演出のステージ調整をしていたはず。
物理演算と格闘していた記憶があるのですが、前回できなかった調整作業ができて嬉しかったです。
(前回はほぼリソース作成に追われていたもんね...)
6日目
いよいよ仕上げに入っていきます!
この日はりべるんさんに大きさに応じてAngular Dragを変える仕様を入れていただいて、
マリモころがし演出のステージバランスの最終調整や、ボタン素材の差し替え、PostProcessingの調整などを行いました。
翌日の締め切り時間がチラついてはいましたが...夜もちゃんと寝ましたzzz
7日目
この日も仕上げとデバッグを行なっていきます。
水流が弱い問題があり、かなり強くしました。ここも実はりべるんさんがインスペクターから調整できるようにしてくださったので、
わたしの方でいじりながら確認するということができました!
今回、りべるんさんがいろんなところを外部化してくれたので、調整作業がとってもしやすかったです。ありがてぇ〜。
色々ありつつも、なんとかお祭り(20時)に滑り込みセーフ...!かと思いきや、本番ビルドではMacで太陽光が表示されない問題が発覚!
このあたりはりべるんさんのブログで詳細に書かれているのでわたしのところでは割愛しますが、
なんとか解消でき、ついでに幾つかの修正を入れて日付変更前に公開することができました!
4時間くらい遅刻しちゃったけど...完成度は前回より段違いに高くなっていると自負できます!
振り返り
全体的に大満足していますが、goodなところとmoreなところをいくつかピックアップしてみます。
まずはgoodから。
good
早いうちにゲームの全体像を共有することができた
先述の通り「ゲームループをきちんと共有できないまま開発を進めてしまった」という課題があり、それをきちんと克服できたのはとても良いことだと思います。
やっぱりどんなゲームか、全体の流れはどういうものかがわかると、意見交換の活発さは全く異なる気がします。
今回導入したAdobeXDでモックアップを作成したことで、ゲームループや必要なものが共有できたほか、わたし自身も具体的になんの仕様を固めるべきか、必要なリソースは?などが明確に把握しやすくなったなぁと感じています。
今後も積極的に利用していきたいです。
必要なリソースを減らすことができた
「いわとをあけて」ではキャラの絵だけでも10個くらいは描いていたのですが、
「まりもシミュレーター」に登場するキャラはマリモ、アザラシ、メンダコの3つです。
しかも表情差分がないため各1パターンです!
このほか水草4種と岩1種、タイトルロゴ、ボタン背景、リザルト用背景、トランジション画像ですので、いわとのキャラ分くらいの量で全てのリソースを作成することができました。
ゲームバランス調整のための時間を割くことができた
共同開発においてはいわゆるプランナー寄りな作業担当なのですが、
前回はほぼそれらしい作業に時間を割くことができませんでした。
しかし、今回は先述の必要リソースを減らすことができたため、ゲームバランスの調整に多く時間を割くことができました。
結果として、「アザラシの手前まで到達は割と簡単にできるが、アザラシ越えが鬼みたいな難易度」に調整することができました。
ずっとこれをやりたかったのです!
普通にプレイするのは簡単だけど、やり込もうとすると難しくなる任天堂スタイル!!!!
わたしはこの任天堂スタイルをとても尊敬しているので、
自分のゲームでもこのスタイルを取り入れたいとずっと思っていました!
だから今回、これができてとても満足しています。
もちろん、今後も進化できるように経験を積んでいきたいです。YES!!!!
評価数、コメント数が「いわとをあけて」を大きく上回った!
前回の「いわとをあけて」は結果発表時点で評価数50件、コメント数7件だったのに対し、
今回は評価数65件、コメント数21件と、その差は歴然としています。
特にコメント数が「いわとをあけて」を大きく引き離し、3倍に上ります。
個人的にコメントするのってある種のハードルがあると思うのですが...それでもこれだけたくさんのコメントいただけたということは、
コメントしてくださった方の心に何か響くものがあったのかなと思います。
プレイはもちろん、評価、コメントしてくださった皆様に本当に感謝しています。
more...
水流の仕様をもうちょっと細かく切ればよかった
開発スケジュールでも書きましたが、
水流の仕様について、ふわっとしか決めておらずりべるんさんに確認させてしまったので、
もっと細かく決めておけばよかったなぁって思いました;;
決して時間がなかったということではなく、細かい仕様をきちんと切ることに対して苦手意識のようなものがあって避けがちなところがあるので、臆せず取り組んでいきたいなと思います。
日曜日のお昼過ぎに本番ビルドができるようにしたいなぁ
これはもちろんわたし1人でできるわけではないですが、そのためには
・早くに細かな仕様を確定させていること
・リソースは金曜日に全て入れ切ること
がわたしの方でできていればもっといいのかなぁと思いました。
無理して体調を崩しては本末転倒ですが、日程を意識して作業を進めることもこの狂気のゲームジャムでは必須項目でしょうから、意識して行けるようにしたいです。
まとめ
反省点もありますが、全体として満足感の大きい結果になりました!
中でも総合25位に入ることができたので、前回と比較しても大躍進です!
総合:3.995(25位)
— 神岡 (@flyingmendako) March 15, 2021
楽しさ:3.892
斬新さ:3.985
雰囲気:4.292
操作性:3.677
サウンド:3.723
絵作り:4.4
プレイしてくださった方、評価、コメントを入れてくださった方、ありがとうございました!#unity1week #u1w #indiedev pic.twitter.com/TgCWVSRuNr
24時間近く経って改めて感じているのですが...結構すごいのかも?!
評価数や閲覧数がそれほど多いわけではなかったのでずっと不安だったのですが、
プレイしてくださった方の気持ちに何かしら響くものがあったのであれば、
わたしとしては嬉しいです。
あと...これだけ書かせてください!
リビルドゲームスの方からコメントいただいたんですよ!!!
めちゃくちゃ嬉しすぎて死ぬかと思いました!!!!
一閃勇者で早く課金したいよー!って思ってたから、メットボーイはほんのちょっとだけど課金させてもらったし、スーパーメットボーイももちろん遊ばせてもらっているし、一閃勇者2(仮称) はいまだに楽しみにしているあのリビルドの中の人!!!
憧れのアイドルにCDにサインしてもらうと嬉しいでしょう?!それとおんなじです!!!
ぎゃーーーーーーー!!!!あqすぇdrftgyふじこlp!"#$%&'()0=~+LKJHGF<>?_ふじこふじこふじこ。
— 神岡 (@flyingmendako) March 2, 2021
リビルドの中の人からコメントおおおおおお!!!!超!!エキサイティン!!!フーーーーーーーー!!!!! pic.twitter.com/sv24koaReN
以上です!ありがとうございました!
今後もプレイしてくださった方の心に響くゲームを作っていきたいです!
(雑にまとめたな)