かみおかのチラ裏

思い付きを書き溜めておくばしょ

「ぱくぱくアザラシ」開発後記

この記事は
Unityゲーム開発者ギルド Advent Calendar 2020」に寄稿したものです。

 

今回は11/11にこのブログでも掲載しました、「ぱくぱくアザラシ」の開発時のお話です。

ぱくぱくアザラシ

こちらのゲームは2020/10/13にunity roomにて公開したもので、
左クリックだけで手軽に遊ぶことができます。
おなかを減らして夕飯まで待てない子どものアザラシが、
お母さんの目を盗んでどれだけ多くのお魚を食べられるか、という内容のゲームです。
制限時間は1分間。その間に食べたお魚に応じてスコアが増え、最終的にそのスコアをランキングでも競うことができます。
出現するお魚はキビナゴとカツオですが、カツオは子どものアザラシの口には入らないため、
食べるとその場でジタバタしてしまい、ロスタイムとなってしまいます。
また、時々お母さんが子どもが目を盗んでつまみ食いしていないか監視しにきます。
バレると...もうお分かりのとおりお仕置きされてしまい、大きなロスタイムとなります。


子どもの頃、おなかが空いて晩ご飯まで待てなくて、お母さんの目を盗んでお菓子を食べようとするけど...
バレてお母さんに怒られた、という経験はないでしょうか?
そんな感じのシチュエーションが元になっています。

さて、そんな「ぱくぱくアザラシ」の開発時のお話を、
一緒に開発してくださったりべるんさんのコメントも交えつつしていきたいと思います。
なお、りべるんさんは既にぱくぱくアザラシ開発のお話を公開されていまして、
下記からご覧いただけます。

gomafrontier.com

りべるんさんのコメントにはf:id:jupiterthundar:20201206193301p:plain
神岡のコメントにはf:id:jupiterthundar:20201206174528p:plain
をそれぞれ冒頭につけています。 

開発のきっかけ

きっかけはUGDGというギルドで、仲良くさせていただいているりべるんさんとのお話の中で、
「ゲームを作ってみませんか?」ということになりまして。
じゃあ、そしたらunity 1weekくらいの規模のゲームを作ろう、ということになりました。
わたし自身、作ろうとしているゲームはあるもののまだまだ実装フェーズには辿り着けずだったので、
こういうお話をいただけたのは非常にありがたかったです。

開発の流れ、各担当について

企画・仕様とデザイン周りをわたし神岡が担当、実装・デプロイ周りはりべるんさんにお願いしました。
前述の通り、わたしは実装周りについてのノウハウがまだほとんどなく、
そこをりべるんさんにお願いできたことは非常に助かりました。
まずは2人でお題に対するアイデアについて話し合い、
決定の後にりべるんさんにプロトタイプを作っていただき、その間にわたしが細かい仕様を考えました。
その後はデザイン作成やゲームフローの整備などを行いつつ、都度WebGLビルドしてお互いに試してみる…といった流れで進めました。

開発中に気をつけたこと

f:id:jupiterthundar:20201206193301p:plainイデアのプロトタイプとなるゲームの作成に注力しました。
これは「2人でゲームをさわれる状態」をなるべく早く作りたかったためです。
さーっとでも作って試すことで、アイデアや仕様の実イメージや良い点・悪い点が見えてきます。それを共有できるのは大切です。
実際、ぱくぱくアザラシも初期案からそこそこ別物になっているのですが、このおかげで早い段階から変更できました。
その他の細かい修正や変更についても、実装側での作業待ちが発生しないよう、常にスピード感を持って作業を行ったつもりです。


f:id:jupiterthundar:20201206174528p:plain ず開発面では、「わかりやすく、かつ具体的に伝えること」を心がけました。
今回、直にお会いして開発したわけではなく、slackとスプレッドシートのみで完結しており、
認識齟齬からの手戻りが発生するリスクがとても高くそれを極力排除したかったためです。
その上で、解釈のパターンが複数考えられるような内容の場合は図示することで、
お互いの認識のズレが発生しないようにしました。
また、ゲーム面では、「プレイヤーへのフィードバックを丁寧に入れる」ようにしました。
例えば、高得点の魚(金のキビナゴ)を食べた際に、エフェクトを通常より派手目にしたり、
スコアを更新した際は「New Record!!」を表示するようにした、などです。
これらはなくても、ゲーム自体問題なくプレイすることはできます。
しかし、得点の高い魚を食べた際にエフェクトを派手目にすることで、「ラッキー!」といった感情を引き出しやすくしたり、
スコア更新時の「New Record!!」を表示により、スコア更新時の喜びをより強く感じてもらえるようなると考えたため、
今回りべるんさんには時間がない中少し無理を言ってお願いしました。
丁寧にご対応いただけて、本当にありがたいです><

開発中、よかったこと

f:id:jupiterthundar:20201206193301p:plainずはしっかりゲームとして世に出せて、皆様に評価いただけたことですね。
当たり前かもしれませんが、だらだら長引きがちなゲーム開発においてとても重要なことです。
あとはお互いを尊重し、良い意味であれこれ意見しながら開発できました。
結果的に私も神岡さんも満足できるゲームに仕上げられたと思います。


f:id:jupiterthundar:20201206174528p:plain(はっ...内容がほとんど被っちゃう!)
わたしも概ねりべるんさんと同じですね。
特にお互いを尊重し、忌憚なく意見を言いながら開発できたことはとても良かったです。
当たり前のことではありますが、実際の仕事の現場でも仕事の忙しさから
お互いを尊重することをついつい忘れてしまうこともあります。
ですが、良い開発にはお互いを尊重する姿勢は欠かすことができません。
この頃、りべるんさんと仲良くさせていただいてまだ日は浅かったのですが、
それでもお互いその姿勢を忘れなかったのはとてもとてもいいことだったと思います。

次回開発でできたらいいなと思うこと

f:id:jupiterthundar:20201206193301p:plain回で共同開発の流れや雰囲気を把握できたので、次回はもっとアイデアや表現の幅を広げていきたいですね。
また、行く行くはお互いの立場を入れ替えてu1wに臨むのも面白そう。
とても良い勉強になるはずです。

f:id:jupiterthundar:20201206174528p:plain常に基本的なことではあるのですが、まずは体調管理です。
体調が安定しない日もあり、りべるんさんにはご迷惑をかけてしまった上、
当初予定していた期間よりも2週間程度リリースまでに時間を要してしまいました。
なので、安定して作業できるよう次回までに体力づくり&体調管理をしっかりできるようにしたいです。
もう一つはUnity上の作業を増やすことです。
今回、りべるんさんにはUnity上の作業をたくさんお願いしてしまいました...。
わたしが不慣れだったためお願いする方が確かに効率は良いのですが、
わたし自身できることが増えれば、ちょっとした調整もわたしの方でできるため、
次回までにできることを増やしたいです。
お互いの立場入れ替え...!なかなか難易度は高いですが、確かに大きく成長できそうですし、
より開発作業が良いものになりそうです。

今度開催されるu1w、わたしは初めてですが参加予定です。
どこまでできるかいまからちょっと緊張していますが、全ての経験はわたしの糧になるので、
気負いすぎず楽しもうと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。