かみおかのチラ裏

思い付きを書き溜めておくばしょ

「いわとをあけて」開発後記

こんにちは。
unity1week投稿作品、「いわとをあけて」の開発について振り返っていきます。
今回のu1wのお題は「あける」。

f:id:jupiterthundar:20201230233939p:plain

スサノオノミコトの悪事に堪りかねたアマテラスさまはある日、
天岩戸に引き籠もってしまいました。
このままでは世界は暗闇に覆われ、わざわいが溢れてしまいます。
プレイヤーはやおよろずの神様として、アマテラスさまのご機嫌をとり、
天岩戸から出てきてもらうことを目指します。

なお、投稿作品はこちらからプレイしていただくことができます。

unityroom.com

こちらの記事でも投稿作品について紹介しておりますので、
よろしければご覧ください。

 

 

 

開発スケジュール 

1日目

企画とその仕様を決める。

「ぱくぱくアザラシ」開発時に、リソース作成に時間がかかりこれが精神的な負荷となることが判明したため、
キャラをあらかじめ用意することに。
3種ほど用意したが、なんと今回のお題では全てマッチしそうもない。

仕方なく全て新規で作ることに。結局、「天岩戸伝説」をモチーフにしたゲームにすることにした。

企画〜おおまかな仕様を切るところまでは半日もかからなかったと思う。

細かな仕様は追々詰めていくことにし、とりあえずゲームの大枠部分やキャラデザインを随時りべるんさんに共有。

2日目

この日には基本的なロジックは実装していただいていたと思う。

ひたすらリソースを作る。

3日目

ひたすらリソースを作る。

4日目

ひたすらリソースを作る。全然追いつかない。

この辺りの頃から規模感を見誤った感じはしていた…。

5日目

この辺りでちゃんと朝に起きれなくなってくる…
深夜に寝てしまうと、そのまま起床も遅くなる+疲れが取れないと言う問題が発生する模様…。
体力作りは非常に大事。

BGMやSEの選定を行いつつ、リソース作成。

6日目

この日も中々起きられず、かろうじて11時前から作業開始。

まだリソースを…。

キャラ系のリソースがようやく全て揃う。

この頃から2~3日遅刻しそうな気はしていた…リソースが揃っていないから。
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった…、

7日目

本来ならこの日の20時が一斉公開時間だが、2人とも諦めムードで苦笑い。

肝心のリソースはまだできていない…。

ゲームプレイ中の背景や背景パーツのリソースが全て揃う。

タイトル画面用のアマテラスイラストが完成。

プレイ中のPoint Lightの調整等を行う。

ここからプロジェクトを共有していただき、神岡もgit hubを介して更新するようになる。

8日目(延長戦第1ラウンド)

アマテラスの感情系アイコン、ゲームクリア時の背景画像、その他UIパーツ等完成。

9日目(延長戦第2ラウンド)

チュートリアルの実装。

この日からようやくデバッグに着手…適宜バグ報告で済むかと思いきや…
このタイミングで仕様変更したいと神岡が駄々をこね始める…。

それまでは「3回連続でミス→さらにミスでアマテラスの機嫌が2段階下がる」仕様だったが、
これではあまりにもミスへの緊張感やデメリットが少ないと思い、
3回連続ミスした時点アマテラスの機嫌が2段階下がる」に変更。

だが、実はこの仕様変更、単なるアマテラスの好感度マイナス以外にも細かなロジック変更が必要で、
結果的に大掛かりな仕様変更となってしまった。本当に申し訳なさしかなかった。

10日目(延長戦最終ラウンド)

細かな調整&デバッグでリリースと思っていた…が、
ここでクリアタイム更新時の演出を入れたいと神岡が駄々をこね始め、捻じ込んでもらう。
2度目の大迷惑。仕様の詰めが甘かったことを痛感。

最後に通しでの挙動チェックを行い、不具合がないことを確認していよいよunityroom上で公開。
実に3日という大遅刻をかまして、ようやくリリースした。

 

振り返り

スケジュールを見るだけでも色々反省点がゴロンゴロンと某一族のように出てきますが、
ひとつずつ振り返っていきます。

よかったこと

無事にリリースできた

大遅刻してしまいましたが、エターならずにきちんとリリースできたことは素直に認めたいです。
やっぱり「完成させてきちんと出せる」ということは、とても大事なことかなと思います。
個人作品でゲーム以外にも未完のものはたくさんあるので、本当に大事だと思います。

git hubを介してのプロジェクトの更新を行えるようになった

「ぱくぱくアザラシ」開発時はgitの設定が済んでいなかったこともあり使えませんでしたが、
今回から利用できるように設定を済ませ、本格的に導入することができました。
なぜか前回設定した公開鍵の設定が死んでいたりというアクシデントはあったものの、
無事にpushやpull等の操作をできるようになり、これでコードが関わらない箇所の更新や、

アセットの格納を神岡側の操作で行えるようになりました。
やはり自分でもある程度できる方がりべるんさんへの負担を減らすことができるのは大きな利点かと思います。

気をつけるべきはコンフリクト問題。
これは更新前に更新しても良いか連絡し、問題ないタイミングで更新をかけることで回避することができました。
連絡大事。

 

次回への課題

最初の段階での仕様の詰めが甘かった

今回、思ったようにゲーム制作できなかった大きな要因の一つと思われる項目。

ゲームのざっくりとした仕様についてはお伝えしたのですが、

ゲームの基礎的なロジックを組むには不足が多かったように思います。

りべるんさんの振り返りで、「いわとをあけて」の場合、以下が最初にわかっていると良かったね

という結論に落ち着きました。

・ざっくりゲームの流れ
・クリア条件
・必要な演出
・アマテラスとやおよろずの神様の動き
・ランキング仕様
・必要リソースの洗い出し

これを次回以降も利用できそうな汎用的なものに置き換えると...

・ざっくりゲームの流れもしくは遷移図
・クリア条件
・必要な演出
・ゲーム内に登場するキャラクターの挙動に関する仕様
・ランキング仕様
・必要リソースの洗い出し

このようになりそうですね。
なお、パラメータはこの時点では仮でも良さそうです。
パラメータなどのゲームバランスに関わる部分はあとで変更可能性が高いので、
最初からかっちり決める利点はそれほどありません。
詳細は後述しますが、むしろ開発のベロシティや機動性を阻害してしまうリスクがあります。
そのため、最低限ゲームを動かすための仕組み部分を決めるだけでよいのではないかと思います。
そしてこの問題、次の問題にも関連してしまっています。

期間の終盤で、重い仕様変更を依頼してしまった

「ぱくぱくアザラシ」では最初から仕様をかなり細かく決めていたのですが、

細かく決めすぎると機動性が悪くなるという欠点がありました。
初めは回転寿司の動きを模したゲームで、それこそレーンの動きの速度まで数値で出すほど細かく決めていました。

のちに仕様変更し現在の仕様になったため、言ってみればちょっと効率が悪かったのです。


そのため今回は粗めの粒度で決めたのですが、少々粗すぎたと思います。

それゆえ、「9日目(延長戦第2ラウンド)」や「10日目(延長戦最終ラウンド)」に記載しているような、

比較的重い仕様変更をよりにもよって期間の終盤にお願いすることになってしまいました...。
これは完全に最初の仕様切りが甘かったとしか言いようがありません。

仕様の規模が全くu1w向けではなかった

仕様の規模が1週間という期間で制作するには、やや大きすぎたように思います。

実際にプレイしていただくとお分かりいただけるのですが、
とにかくアマテラスややおよろずの神様たちのイラストが多いのです。特にアマテラスの画像。

これでもいくつか割り切って使いまわしたりしましたが、それでも間に合わなかった。

リソース作成に時間を大きく割かれ、肝心なゲームバランスにほとんど時間を取ることができなかった

かろうじてねじ込んだアマテラスの機嫌2段階減少により、多少ゲームの緊張感を入れることはできたものの、

入力待機時間の調整等は全くできませんでした。
結果的にご覧の通り、それほど時間がかからずほぼ理論値でクリアされてしまう
非常に簡単なゲームになってしまいました。

本来は、3回程度クリアしてもらい、クリアタイムを詰めてもらおうと考えていたのですが...、
おそらくほとんどの人が初見もしくは2度目程度でこの理論値でクリアできていたのではないでしょうか。

理不尽なゲームは作りたくないと常々思っているのですが、
これはいくらなんでも簡単すぎて手応えも感じづらかったのではなかろうかと思います。大反省。

UXの詰めが甘い

アクションに応じてアマテラスが反応してくれる仕組みは入れたのだが、SEやパーティクルでの表現がなく、

ぱくぱくアザラシのようなフィードバックができていないゲームとなってしまったように思います。

結果として、正解しても、不正解でもプレイヤーにとっては感情的な揺さぶりは少なかったのではないか
と考えています。

ゲームのUXという観点から見ても、まだまだ改善の余地はあると言えます。

 

全体的に見ると、

  • 最初の時点でのゲーム全体像の共有不足

  • 仕様決定の詰めの甘さ

  • リソースの洗い出しが遅れたこと

これらが今回の大遅刻に繋がっているのではないかと思います。

 

 おわりに...

このような感じで得られたこともありましたが、
どちらかというと悔しさの方が強く残る作品となってしまいました。

もちろん、unity1weekへ初参加だっということもあるとは思います。

今回の経験を糧に、次回のunity1weekではより「たのしい!」と思っていただけるゲームを作りたいと思います。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。