かみおかのチラ裏

思い付きを書き溜めておくばしょ

「いわとをあけて」開発後記

こんにちは。
unity1week投稿作品、「いわとをあけて」の開発について振り返っていきます。
今回のu1wのお題は「あける」。

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スサノオノミコトの悪事に堪りかねたアマテラスさまはある日、
天岩戸に引き籠もってしまいました。
このままでは世界は暗闇に覆われ、わざわいが溢れてしまいます。
プレイヤーはやおよろずの神様として、アマテラスさまのご機嫌をとり、
天岩戸から出てきてもらうことを目指します。

なお、投稿作品はこちらからプレイしていただくことができます。

unityroom.com

こちらの記事でも投稿作品について紹介しておりますので、
よろしければご覧ください。

 

 

 

開発スケジュール 

1日目

企画とその仕様を決める。

「ぱくぱくアザラシ」開発時に、リソース作成に時間がかかりこれが精神的な負荷となることが判明したため、
キャラをあらかじめ用意することに。
3種ほど用意したが、なんと今回のお題では全てマッチしそうもない。

仕方なく全て新規で作ることに。結局、「天岩戸伝説」をモチーフにしたゲームにすることにした。

企画〜おおまかな仕様を切るところまでは半日もかからなかったと思う。

細かな仕様は追々詰めていくことにし、とりあえずゲームの大枠部分やキャラデザインを随時りべるんさんに共有。

2日目

この日には基本的なロジックは実装していただいていたと思う。

ひたすらリソースを作る。

3日目

ひたすらリソースを作る。

4日目

ひたすらリソースを作る。全然追いつかない。

この辺りの頃から規模感を見誤った感じはしていた…。

5日目

この辺りでちゃんと朝に起きれなくなってくる…
深夜に寝てしまうと、そのまま起床も遅くなる+疲れが取れないと言う問題が発生する模様…。
体力作りは非常に大事。

BGMやSEの選定を行いつつ、リソース作成。

6日目

この日も中々起きられず、かろうじて11時前から作業開始。

まだリソースを…。

キャラ系のリソースがようやく全て揃う。

この頃から2~3日遅刻しそうな気はしていた…リソースが揃っていないから。
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった…、

7日目

本来ならこの日の20時が一斉公開時間だが、2人とも諦めムードで苦笑い。

肝心のリソースはまだできていない…。

ゲームプレイ中の背景や背景パーツのリソースが全て揃う。

タイトル画面用のアマテラスイラストが完成。

プレイ中のPoint Lightの調整等を行う。

ここからプロジェクトを共有していただき、神岡もgit hubを介して更新するようになる。

8日目(延長戦第1ラウンド)

アマテラスの感情系アイコン、ゲームクリア時の背景画像、その他UIパーツ等完成。

9日目(延長戦第2ラウンド)

チュートリアルの実装。

この日からようやくデバッグに着手…適宜バグ報告で済むかと思いきや…
このタイミングで仕様変更したいと神岡が駄々をこね始める…。

それまでは「3回連続でミス→さらにミスでアマテラスの機嫌が2段階下がる」仕様だったが、
これではあまりにもミスへの緊張感やデメリットが少ないと思い、
3回連続ミスした時点アマテラスの機嫌が2段階下がる」に変更。

だが、実はこの仕様変更、単なるアマテラスの好感度マイナス以外にも細かなロジック変更が必要で、
結果的に大掛かりな仕様変更となってしまった。本当に申し訳なさしかなかった。

10日目(延長戦最終ラウンド)

細かな調整&デバッグでリリースと思っていた…が、
ここでクリアタイム更新時の演出を入れたいと神岡が駄々をこね始め、捻じ込んでもらう。
2度目の大迷惑。仕様の詰めが甘かったことを痛感。

最後に通しでの挙動チェックを行い、不具合がないことを確認していよいよunityroom上で公開。
実に3日という大遅刻をかまして、ようやくリリースした。

 

振り返り

スケジュールを見るだけでも色々反省点がゴロンゴロンと某一族のように出てきますが、
ひとつずつ振り返っていきます。

よかったこと

無事にリリースできた

大遅刻してしまいましたが、エターならずにきちんとリリースできたことは素直に認めたいです。
やっぱり「完成させてきちんと出せる」ということは、とても大事なことかなと思います。
個人作品でゲーム以外にも未完のものはたくさんあるので、本当に大事だと思います。

git hubを介してのプロジェクトの更新を行えるようになった

「ぱくぱくアザラシ」開発時はgitの設定が済んでいなかったこともあり使えませんでしたが、
今回から利用できるように設定を済ませ、本格的に導入することができました。
なぜか前回設定した公開鍵の設定が死んでいたりというアクシデントはあったものの、
無事にpushやpull等の操作をできるようになり、これでコードが関わらない箇所の更新や、

アセットの格納を神岡側の操作で行えるようになりました。
やはり自分でもある程度できる方がりべるんさんへの負担を減らすことができるのは大きな利点かと思います。

気をつけるべきはコンフリクト問題。
これは更新前に更新しても良いか連絡し、問題ないタイミングで更新をかけることで回避することができました。
連絡大事。

 

次回への課題

最初の段階での仕様の詰めが甘かった

今回、思ったようにゲーム制作できなかった大きな要因の一つと思われる項目。

ゲームのざっくりとした仕様についてはお伝えしたのですが、

ゲームの基礎的なロジックを組むには不足が多かったように思います。

りべるんさんの振り返りで、「いわとをあけて」の場合、以下が最初にわかっていると良かったね

という結論に落ち着きました。

・ざっくりゲームの流れ
・クリア条件
・必要な演出
・アマテラスとやおよろずの神様の動き
・ランキング仕様
・必要リソースの洗い出し

これを次回以降も利用できそうな汎用的なものに置き換えると...

・ざっくりゲームの流れもしくは遷移図
・クリア条件
・必要な演出
・ゲーム内に登場するキャラクターの挙動に関する仕様
・ランキング仕様
・必要リソースの洗い出し

このようになりそうですね。
なお、パラメータはこの時点では仮でも良さそうです。
パラメータなどのゲームバランスに関わる部分はあとで変更可能性が高いので、
最初からかっちり決める利点はそれほどありません。
詳細は後述しますが、むしろ開発のベロシティや機動性を阻害してしまうリスクがあります。
そのため、最低限ゲームを動かすための仕組み部分を決めるだけでよいのではないかと思います。
そしてこの問題、次の問題にも関連してしまっています。

期間の終盤で、重い仕様変更を依頼してしまった

「ぱくぱくアザラシ」では最初から仕様をかなり細かく決めていたのですが、

細かく決めすぎると機動性が悪くなるという欠点がありました。
初めは回転寿司の動きを模したゲームで、それこそレーンの動きの速度まで数値で出すほど細かく決めていました。

のちに仕様変更し現在の仕様になったため、言ってみればちょっと効率が悪かったのです。


そのため今回は粗めの粒度で決めたのですが、少々粗すぎたと思います。

それゆえ、「9日目(延長戦第2ラウンド)」や「10日目(延長戦最終ラウンド)」に記載しているような、

比較的重い仕様変更をよりにもよって期間の終盤にお願いすることになってしまいました...。
これは完全に最初の仕様切りが甘かったとしか言いようがありません。

仕様の規模が全くu1w向けではなかった

仕様の規模が1週間という期間で制作するには、やや大きすぎたように思います。

実際にプレイしていただくとお分かりいただけるのですが、
とにかくアマテラスややおよろずの神様たちのイラストが多いのです。特にアマテラスの画像。

これでもいくつか割り切って使いまわしたりしましたが、それでも間に合わなかった。

リソース作成に時間を大きく割かれ、肝心なゲームバランスにほとんど時間を取ることができなかった

かろうじてねじ込んだアマテラスの機嫌2段階減少により、多少ゲームの緊張感を入れることはできたものの、

入力待機時間の調整等は全くできませんでした。
結果的にご覧の通り、それほど時間がかからずほぼ理論値でクリアされてしまう
非常に簡単なゲームになってしまいました。

本来は、3回程度クリアしてもらい、クリアタイムを詰めてもらおうと考えていたのですが...、
おそらくほとんどの人が初見もしくは2度目程度でこの理論値でクリアできていたのではないでしょうか。

理不尽なゲームは作りたくないと常々思っているのですが、
これはいくらなんでも簡単すぎて手応えも感じづらかったのではなかろうかと思います。大反省。

UXの詰めが甘い

アクションに応じてアマテラスが反応してくれる仕組みは入れたのだが、SEやパーティクルでの表現がなく、

ぱくぱくアザラシのようなフィードバックができていないゲームとなってしまったように思います。

結果として、正解しても、不正解でもプレイヤーにとっては感情的な揺さぶりは少なかったのではないか
と考えています。

ゲームのUXという観点から見ても、まだまだ改善の余地はあると言えます。

 

全体的に見ると、

  • 最初の時点でのゲーム全体像の共有不足

  • 仕様決定の詰めの甘さ

  • リソースの洗い出しが遅れたこと

これらが今回の大遅刻に繋がっているのではないかと思います。

 

 おわりに...

このような感じで得られたこともありましたが、
どちらかというと悔しさの方が強く残る作品となってしまいました。

もちろん、unity1weekへ初参加だっということもあるとは思います。

今回の経験を糧に、次回のunity1weekではより「たのしい!」と思っていただけるゲームを作りたいと思います。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

明けましておめでとうございます

一年の計は元旦にあり、と言うものの、
元旦どころか2日目の朝もとっく終わってしまいましたが、
今年の抱負的なものを書いてみます。
(誰かに向けてと言うよりは自分のために書いてる節が強いので、
つまんない記事かもしれない...)

現在開発中のゲームを公開する

現在開発中のゲームは最終的にアプリでリリースしようと考えているのですが、
まずは体験版的な位置づけでunityroomで公開したいと去年から考えていました。
なので、このunityroomで公開することを目指していきたいです。

インディーゲームイベントへの参加

リアルイベントは新型コロナウイルス感染症のことを考えると厳しいかと思われますが、
オンラインでのイベントもあるのでそちらに参加するのもいいのかなと...
でも、本当はデジゲー博とか参加してみたいです。
一応検討はしていますが、感染症のことと、
そもそも応募したとしても当選するかどうかって言う二重のハードルが...。
でも、なんらかのイベントには参加したいですね。
プレゼンみたいなのあらかじめ用意するか、その時にきっとzoomとかでやるんだよな...
まじか...恥ずかしすぎるな........。

 

おまけ

昨年末のunity1weekでリリースした「いわとをあけて」の
アマテラスとやおよろずの神様たちを描きました。

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正月早々御神酒を飲んで酔っ払って羽目を外すアマテラスさまなのですが...
酒瓶が入りませんでした。南無。

 

そんな感じで、2021年もよろしくお願いいたします!

2020年振り返り

2020年も残すところわずかですが、
ギリギリのこのタイミングで振り返ってみようと思います。
こういうの、あんまりきちんとやったことないので手探り状態ですが...
とりあえず4半期ごとに分けてやってみます。

 

1月〜3月

2020年を振り返るにあたって避けて通れないのが、年始のお話。
わたしは昨年、とある事情により鬱状態となり現在も休業中です。
そして年始はそんな鬱状態からスタートしました。
ほぼ毎日死にたい消えたいと思いながら、
本当に死ぬ方法も考えたり実行しようとしたりしてはそれに抗っていましたが、
2月ごろから処方された薬が合っていて、
いわゆる希死念慮はかなり大人しくなってくれました。
そこからちょっとずつUnityやC#の勉強をし始めました。

今となってはものすごく不思議な感覚もするのですが、
あの頃は本当に死にたい...というよりは「自分の存在を無かったこと」にしたくて
仕方なかった。
酷いと「あ、これで〇〇する(自主規制)と死ねるな」って、
まあ某精神科漫画みたいなことを思うわけです。
ほんと、キツかった。

希死念慮が大人しくなったといっても、
「一番やばい状態」から「まあまあやばい状態」に改善しただけなので、
頭はまともに働きません。
なので、本当にUnityやプログラムに触れるために、
思考停止状態で写経している感じだったので、理解しているとはとても言い難かったです。
でも、当時のわたしにはそれが限界だったし、
それができているだけでもよしと思うしかなかった。

4月〜6月

何していたんだろう。全く思い出せない。
覚えているのは緊急事態宣言が出て、夫がリモートワークになって、
いろいろ環境が変わったためか突発性難聴になったことくらいしか覚えてません。
仕事にもアルバイトでもいいからボチボチ戻ろうとも考えていた時期でしたが...
コロナ禍をいい言い訳に見送ろうと判断しました。
あ、精神科通院が2週間→1ヶ月になったみたいです。それだけかよ。

 

7月〜9月

ここはわたしにとって転機となった、非常に重要な時期ですね!
7月の終わりに、
UGDG(ウルトラゴリラデスゴリラUnity Game Developers Guild)に加入しました! 

scrapbox.io
入る前までは1人でC#の勉強していましたが、
いくら本に書かれているとおりに書いているつもりでもなぜかその通りに動かなくて、
原因も全く自分では解明できず、これ以上1人で勉強し続けることに
限界を感じ始めていました...。
勉強できないことはないと思うのですが、モチベが続かないんですよね;;

あと、ゲーム開発する人たちがネットの世界であっても身近にいる環境に身を置いて、
常に自分も「ゲーム開発するぞ」という気持ちでいたいというのもありました。
なんだかんだ人間というのは惰性で生きちゃうから、
それなら惰性でゲーム開発できるくらいどっぷりゲーム開発に浸かりたい、
という感じです。
それでたしか、個人でゲーム開発している人を手当たり次第フォローしていくうちに、
ないちさん(@naichilab)のアカウントを見つけて、UGDGを見つけた...のだと思います。


このUGDGに加入したことがきっかけで、
わたしのゲーム開発の経験値が加速度的に増えていきます。とてもよい。
そしてさらに...再び家族以外のコミュニティとの繋がりができたことで、
わたしの精神状態もかなり安定するようになりました。本当に感謝しかない。
昨年、退職という選択を自らしたものの、退職日を迎えた日は、
「これでわたしはただの主婦になってしまう、なんにもない」と絶望していました。
居たくもない会社でも、いざ「会社勤めの人」という肩書がなくなるのはなんと怖いことか。
半年近くかけて「会社勤めではない自分」をようやく受け入れることができましたが、
UGDGに加入したことで「わたしにはゲーム開発がある、仲間もいる」と思えたことは、
わたしの精神を安定させる上でとても効果的でした。
そうはいっても人は繋がりがないと精神的に安定しないんだなぁと、身を以て実感しました。
UGDGを創設されたないち神には、もう足を向けて寝れませんね。バチが当たってしまいます。
ばあさんになってもゲーム開発をするか、仮にゲーム開発を引退しても、
ボランティアでもやって人の輪の中にいる方が、いい老人ライフを送れそうです。
ばあさんになったら、シルバー人材センターにでも入ります。たぶん。

閑話休題
UGDGに入って1週間足らずでC#のアレコレを教えてもらった結果、
圧倒的に基礎力が足りないということが判明し、C#入門書から始めました。
そして、C#入門書でも不十分だったので独習C#を購入...。
本当に怒涛の勢いでC#の世界にどっぷり浸かることになりました。
でも、おかげで写経しかできなかったのが、意味をなんとなく理解できるまでになりました。

8月...ある方のお家の子がとってもかわいくてベタ褒めしたことをきっかけに、
よくお話をさせてもらうようになり、その流れなんとゲームを作ることに!
そう、「ぱくぱくアザラシ」は、そういう流れで開発されることになったのです。
嬉しいことに評判もとてもよく、またお互いに共同開発できそう!と
手応えを感じることができ、「次回のunity1weekにはぜひ!」ということになりました。

 

10月〜12月

当初の予定から大幅に伸びてしまったものの、
無事に「ぱくぱくアザラシ」をリリース!!

unityroom.comわたしにとっては初めての自分のゲームのリリースです!
そして...高校生の頃憧れていた「自分の絵をゲームに出す」こともできました。
特に後者は十数年前からあった思いだったので、なんだかとっても感慨深かったです。
りべるんさんには本当に感謝しています。
「ぱくぱくアザラシ」の開発についてはこちらでも書いておりますので、ぜひ...。

「ぱくぱくアザラシ」のリリースが終わった後は、
久しぶりにイラストをきちんと描いたり、モデリングをしたり、
独身の日セールで購入したDoozyUIの使い方を勉強したりしていました。
あと、独習C#もちょっと読んだ。ちょっとだけな...。
12月...そろそろ、unity1weekも近いなという頃、それに向けてスプレを整備したり、
使えそうなキャラクターのデザインを考えたりしたのですが、
お題が公開された際、どうにも使えず次回以降まで
キャラたちには待っていてもらうことに...。ナンテコッタ

そして先日、初参加にして大遅刻をかまして難産の末の「いわとをあけて」をリリース。

unityroom.com悔しさも残る作品となってしまいましたが、これも経験です。
いわとをあけて」の開発後期はまた後日ブログに掲載しますので、
よろしければご覧いただけますと嬉しいです。

 

まとめ

下半期以降が本当濃厚でした!
UGDGに入ってからは濃い時間を過ごすことができて、
我ながら本当に半年の間に起きたことなのかちょっと疑ってしまうけど、
間違いなく半年の間にあったことでした。
この半年で、わたしはゲーム開発へのモチベーションを得ることができて、
さらに絵を描くことに対するモチベーションも再び取り戻すことができました。
UGDGと主催のないちさん、共同開発してくださったりべるんさん、
そしてC#初心者のわたしに手取り足取り教えてくださったTechnθ先生、あるく先生、のたぐす先生、
ターミナルやgit周りのことをいっぱい教えてくださったねぎ先生、
そしてこちらには書ききれてないけど神岡と話してくださった皆さん、
本当にありがとうございました。
来年もバリバリゲーム開発していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

いわとをあけて

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りべるんさん(@riberunn)との共同制作第二弾、「いわとをあけて」です。
今回、神岡は初めてのunity1week参加でした。

神岡はゲームデザイン、デザイン周りを担当しました。

「ぱくぱくアザラシ」開発後記

この記事は
Unityゲーム開発者ギルド Advent Calendar 2020」に寄稿したものです。

 

今回は11/11にこのブログでも掲載しました、「ぱくぱくアザラシ」の開発時のお話です。

ぱくぱくアザラシ

こちらのゲームは2020/10/13にunity roomにて公開したもので、
左クリックだけで手軽に遊ぶことができます。
おなかを減らして夕飯まで待てない子どものアザラシが、
お母さんの目を盗んでどれだけ多くのお魚を食べられるか、という内容のゲームです。
制限時間は1分間。その間に食べたお魚に応じてスコアが増え、最終的にそのスコアをランキングでも競うことができます。
出現するお魚はキビナゴとカツオですが、カツオは子どものアザラシの口には入らないため、
食べるとその場でジタバタしてしまい、ロスタイムとなってしまいます。
また、時々お母さんが子どもが目を盗んでつまみ食いしていないか監視しにきます。
バレると...もうお分かりのとおりお仕置きされてしまい、大きなロスタイムとなります。


子どもの頃、おなかが空いて晩ご飯まで待てなくて、お母さんの目を盗んでお菓子を食べようとするけど...
バレてお母さんに怒られた、という経験はないでしょうか?
そんな感じのシチュエーションが元になっています。

さて、そんな「ぱくぱくアザラシ」の開発時のお話を、
一緒に開発してくださったりべるんさんのコメントも交えつつしていきたいと思います。
なお、りべるんさんは既にぱくぱくアザラシ開発のお話を公開されていまして、
下記からご覧いただけます。

gomafrontier.com

りべるんさんのコメントにはf:id:jupiterthundar:20201206193301p:plain
神岡のコメントにはf:id:jupiterthundar:20201206174528p:plain
をそれぞれ冒頭につけています。 

開発のきっかけ

きっかけはUGDGというギルドで、仲良くさせていただいているりべるんさんとのお話の中で、
「ゲームを作ってみませんか?」ということになりまして。
じゃあ、そしたらunity 1weekくらいの規模のゲームを作ろう、ということになりました。
わたし自身、作ろうとしているゲームはあるもののまだまだ実装フェーズには辿り着けずだったので、
こういうお話をいただけたのは非常にありがたかったです。

開発の流れ、各担当について

企画・仕様とデザイン周りをわたし神岡が担当、実装・デプロイ周りはりべるんさんにお願いしました。
前述の通り、わたしは実装周りについてのノウハウがまだほとんどなく、
そこをりべるんさんにお願いできたことは非常に助かりました。
まずは2人でお題に対するアイデアについて話し合い、
決定の後にりべるんさんにプロトタイプを作っていただき、その間にわたしが細かい仕様を考えました。
その後はデザイン作成やゲームフローの整備などを行いつつ、都度WebGLビルドしてお互いに試してみる…といった流れで進めました。

開発中に気をつけたこと

f:id:jupiterthundar:20201206193301p:plainイデアのプロトタイプとなるゲームの作成に注力しました。
これは「2人でゲームをさわれる状態」をなるべく早く作りたかったためです。
さーっとでも作って試すことで、アイデアや仕様の実イメージや良い点・悪い点が見えてきます。それを共有できるのは大切です。
実際、ぱくぱくアザラシも初期案からそこそこ別物になっているのですが、このおかげで早い段階から変更できました。
その他の細かい修正や変更についても、実装側での作業待ちが発生しないよう、常にスピード感を持って作業を行ったつもりです。


f:id:jupiterthundar:20201206174528p:plain ず開発面では、「わかりやすく、かつ具体的に伝えること」を心がけました。
今回、直にお会いして開発したわけではなく、slackとスプレッドシートのみで完結しており、
認識齟齬からの手戻りが発生するリスクがとても高くそれを極力排除したかったためです。
その上で、解釈のパターンが複数考えられるような内容の場合は図示することで、
お互いの認識のズレが発生しないようにしました。
また、ゲーム面では、「プレイヤーへのフィードバックを丁寧に入れる」ようにしました。
例えば、高得点の魚(金のキビナゴ)を食べた際に、エフェクトを通常より派手目にしたり、
スコアを更新した際は「New Record!!」を表示するようにした、などです。
これらはなくても、ゲーム自体問題なくプレイすることはできます。
しかし、得点の高い魚を食べた際にエフェクトを派手目にすることで、「ラッキー!」といった感情を引き出しやすくしたり、
スコア更新時の「New Record!!」を表示により、スコア更新時の喜びをより強く感じてもらえるようなると考えたため、
今回りべるんさんには時間がない中少し無理を言ってお願いしました。
丁寧にご対応いただけて、本当にありがたいです><

開発中、よかったこと

f:id:jupiterthundar:20201206193301p:plainずはしっかりゲームとして世に出せて、皆様に評価いただけたことですね。
当たり前かもしれませんが、だらだら長引きがちなゲーム開発においてとても重要なことです。
あとはお互いを尊重し、良い意味であれこれ意見しながら開発できました。
結果的に私も神岡さんも満足できるゲームに仕上げられたと思います。


f:id:jupiterthundar:20201206174528p:plain(はっ...内容がほとんど被っちゃう!)
わたしも概ねりべるんさんと同じですね。
特にお互いを尊重し、忌憚なく意見を言いながら開発できたことはとても良かったです。
当たり前のことではありますが、実際の仕事の現場でも仕事の忙しさから
お互いを尊重することをついつい忘れてしまうこともあります。
ですが、良い開発にはお互いを尊重する姿勢は欠かすことができません。
この頃、りべるんさんと仲良くさせていただいてまだ日は浅かったのですが、
それでもお互いその姿勢を忘れなかったのはとてもとてもいいことだったと思います。

次回開発でできたらいいなと思うこと

f:id:jupiterthundar:20201206193301p:plain回で共同開発の流れや雰囲気を把握できたので、次回はもっとアイデアや表現の幅を広げていきたいですね。
また、行く行くはお互いの立場を入れ替えてu1wに臨むのも面白そう。
とても良い勉強になるはずです。

f:id:jupiterthundar:20201206174528p:plain常に基本的なことではあるのですが、まずは体調管理です。
体調が安定しない日もあり、りべるんさんにはご迷惑をかけてしまった上、
当初予定していた期間よりも2週間程度リリースまでに時間を要してしまいました。
なので、安定して作業できるよう次回までに体力づくり&体調管理をしっかりできるようにしたいです。
もう一つはUnity上の作業を増やすことです。
今回、りべるんさんにはUnity上の作業をたくさんお願いしてしまいました...。
わたしが不慣れだったためお願いする方が確かに効率は良いのですが、
わたし自身できることが増えれば、ちょっとした調整もわたしの方でできるため、
次回までにできることを増やしたいです。
お互いの立場入れ替え...!なかなか難易度は高いですが、確かに大きく成長できそうですし、
より開発作業が良いものになりそうです。

今度開催されるu1w、わたしは初めてですが参加予定です。
どこまでできるかいまからちょっと緊張していますが、全ての経験はわたしの糧になるので、
気負いすぎず楽しもうと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

ぱくぱくアザラシ

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ぱくぱくアザラシタイトル画面
画像クリックで投稿先のunity roomに飛べます。

 りべるんさん(@riberunn)との共同制作、「ぱくぱくアザラシ」です。
クリックだけで手軽に遊べるゲームです。

神岡はゲームデザイン、背景、キャラクターイラストを担当しました。

開発時の様子などについては、別途記載予定です。

独習C#を買った話

大変お久しぶりです。

なんと最後に投稿した記事が106日前らしいので、
100日後に死ぬワニが死んで、お葬式が終わったところ...くらい更新していなかったようです。

 

さて、少し前にこちらの本を買いました。 

独習C# 第3版

独習C# 第3版

 

8月ごろに前に読んでいたこちらの本は終わっていたのですが、 
この本、超入門といいつつC#についてはある程度知っている前提になっています。

そもそもUnityでプログラムを書く際、一から十まで書く必要がなく、
Unity側で用意されたものを使うことができるのですが...
これがいいのか悪いのかって感じです。

ある程度は用意されたものを組み合わせたりで知識がなくてもできますが、
応用が利きづらくなってしまう危険性もあります。

応用が効かない脆い知識のままだと、
自分が本当に作りたいものを作る際に大きな壁となってしまうので、
本格的にUnityを触るなら、「C#の基礎はあった方がいい」と言うことになります。
急がば回れ、と言うやつですね。

 

そんな感じで次にわたしが購入したのがこちらの本でしたが... 

確かな力が身につくC#「超」入門 第2版 (Informatics&IDEA)

確かな力が身につくC#「超」入門 第2版 (Informatics&IDEA)

  • 作者:北村愛実
  • 発売日: 2020/07/07
  • メディア: 単行本
 

やっぱり超入門という性質から十分な内容とは言えず、
結局タイトルの独習C#を購入するに至りました。

 

ただ、上記の本も決して悪くないです!
内容はごく基礎的なものにとどまりますが、丁寧な解説と分かりやすいイラストで、
抽象的で掴みどころが見つかりにくいC#の知識を解説してくれているので、
イメージはしやすいです(※個人の感想です)。
実際、こちらを読んだだけでも最初の本でなんとなくやっていたことが、
「本当はこう言うことをしていたのか!」と目から鱗な経験がありましたので。

 

ほかにもこういった超入門書はあると思うので、自分に合った入門書を読んでから、
独習C#に移るとより独習C#の内容も入りやすいのでは...?と思います。

なお、独習C#は分かりやすいイラストはほぼ皆無なので、入門書としてはお勧めできません。
一応出版社も「入門書・初心者向け学習書」を読んだことがある人向け、
としているので、全く知識がない状態で読むにはハードかと思います。

 

また、第三版以降の版もあるのですが、第三版が初心者向けと言われているので、
初心者の方は第三版をオススメします。
(途中から筆者まで変わっている模様...)

 

独習C#はまだわたしも読んでいる途中ですので、
またなにか気づいたこととかあれば更新したい、なぁ...と思っています。